ラ ドル知ヱ 美ータ。
碌山美術館 Love is art
今年初めての有給(奇跡)。
長野中部穂高にある碌山美術館に行く。
(デジタルカメラを持っていなかった!携帯電話のカメラで撮影する。)
この辺りには素晴らしい美術館が多いのだけど、この碌山美術館は私の大好きな美術館だ。
彫刻家荻原守衛(碌山)の彫刻全作品を観ることができる。
秋にしか訪れたことがないが、秋に来るべき美術館だと思っている。
本館である「碌山館」は昭和33年開館。キリスト教に傾倒し、洗礼を受けた碌山にちなんで教会風の建築となっている。敷地内にはほかに第1展示棟、第2展示棟があり、碌山にゆかりの彫刻家や画家の作品が収められている。
碌山館の扉から紅葉が見える。
この紅葉の下には「労働者」と題された彫刻が力強く在る。
そしてこの碌山館で注目すべきは、扉である。
このノブ!女性の形になっている。
どことなくエジプトっぽい感じ。エジプトの古代彫刻に関心を寄せていたという碌山にちなんでいるのかもしれない。
表扉にはブロンズのきつつきがとまっている。
教会の尖塔にはフェニックスをかたどった避雷針がある。
このフェニックスも流線型の、デザイン性の高いフォルムだ。
碌山は大分苦労しながら生きた人のようである。
若くして心臓を病みながら、アメリカ、パリへ渡っている。
28歳の夏に渡英、翌年帰国してから30歳の春に亡くなるまでに怒涛のように作品を制作しているのだ。
この碌山館の中央にあるのが、絶作にして最高傑作の「女」だ。
極めてシンプルなステンドグラスからの黄色の光が、ちょうど「彼女」の顔を照らしている。
碌山はロダンの「考える人」を見て衝撃を受け、彫刻家になることを決心したらしいが、その最高傑作が「女」というのはちょっと面白いといつも思う。
「女」は軽く手を組み、体を反らして上を向いている。
鳥が飛び立つ瞬間のような生命感と、優しい表情の中の精神性。
そして、その「女」と並んで配されているのが「デスペア」と題された作品である。
希望と絶望の対比。
同じ黄色い光を受けてはいても、その光さえ異質なもののように思えてくる。
深い絶望の表現。
絶望と聞くとこの彫刻をイメージしてしまうくらい私にとっては強烈な作品である。
この「デスペア」、第3回文展に出品されたが、ポーズが悪いということで採点されなかったという。
絶望にポーズなどあるものか。
「デスペア」は1909年(30歳)の時の作品。翌年の3月中旬に「女」が完成。
4月20日新宿中村屋で吐血、22日に30歳5ヶ月で永眠。
こんな激しい人生を生きた碌山は、写真で見る限りとても優しい顔をしている。
LOVE IS ART,STRUGGLE IS BEAUTY
愛は芸術なり、相克は美なり
この辺はわさびの名産地でもある。
それだけ水も空気もきれいってこと。
美味しい蕎麦屋と温泉がたくさんある。
わさびそばはその名のとおり真ん中にわさびがこんもり盛られている。
それほど辛くなく、十分にその風味を味わうことができる。
あったか~い♪
by kaioko
| 2006-11-16 15:36
| アート・美術館
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