ラ ドル知ヱ 美ータ。


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by kaioko
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イタリア映画祭2011

今年も行ってきました。ゴールデンウィーク恒例のイタリア映画祭。今年で11回目、私は2005年から数えて6回目の参加となりました。この映画祭で観たイタリア映画はおそらく30本以上・・・。イタリア映画も日本公開になったり、DVD化したりしていますが、まとめて最新の作品が観られる機会があるのは本当に贅沢で嬉しい。今年のラインナップはこちら。

『はじめての大切なもの』“La Prima Cosa Bella(The First Beautiful Thing)”
(2010/伊)
『アルデンテな男たち』“Mine Vaganti(Loose Canntons)”(2010/伊)
『ぼくたちの生活』“La Nostra Vita(Our Life)”(2010/伊・仏) 
『星の子どもたち』“Figli delle stelle”(2010)
『ラ・パッショーネ』“La Passione”(2010/伊)
『われわれは信じていた』“Noi Credevamo(We Believed)”(2010/伊・仏) 
『キスを叶えて』“I baci mai dati(Lost Kisses)”(2010/伊)
『初任地にて』“Il Primo Incarico”(2010/伊) 
『穏やかな暮らし』“Una vita tranquilla(A Quiet Life)”(2010/伊・独・仏) 
『ロバの美』“La bellezza del somaro”(2010/伊)
『最後のキス』“L'ultimo bacio(The Last Kiss)”(2001/伊) 
『もう一度キスを』“Baciami Ancora(Kiss Me Again)”(2010/伊・仏) 


『最後のキス』だけちょっと昔の作品なのは続編『もう一度キスを』が公開されるから。そのわりには2作品観るのは難しいプログラムの組み方である気がします。イタリア統一150年の今年、『われわれは信じていた』を観るべきかと思いましたが、初日から170分の大作を観るのはちょっと疲れちゃうかな、と思いまして今回はパスしました。震災の影響でイタリアから来日ゲストは来ず。座談会も中止となりましたが、チャリティ上映としてエルマンノ・オルミ監督の『ポー川のひかり』(百本の釘)が上映されたようです。29日には4本観ましたが、全て当日券まで売り切れていました。でも作品も含め、例年よりちょっと落ち着いた映画祭だったかなと思いました。観たのは次の6作品。星は私のお気に入り度、6作品の相対評価ということで。

『はじめての大切なもの』★★★★
『星の子どもたち』★★
『ラ・パッショーネ』★★★★☆
『ロバの美』★★☆
『アルデンテな男たち』★★★★★
『ぼくたちの生活』 

最後の『ぼくたちの生活』は、楽しみにしていた作品で3日の昼すぎに観たのですが、眠くて眠くて半分寝ながら観てしまったため、採点不能、エリオ・ジェルマーノ君、ゴメン!『星の子どもたち』、『ロバの美』は好きな俳優・女優さんがでていたので、期待していたのですが、いまひとつ盛り上がりに欠けました。

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『はじめての大切なもの』“La Prima Cosa Bella”(2010/伊) 
監督:パオロ・ヴィルツィ
物語:ブルーノは、ミラノの学校で文学を教えている中年男性で、自分の不幸な人生にうんざりしていた。そんな彼は、妹ヴァレリアに母が癌で余命いくばくもないという連絡を受けて、トスカーナ地方にある故郷リヴォルノに帰省する。彼は、ここで、過去と対峙し、これまでの関係を修復することに決める……。 

パオロ・ヴィルツィ作品は、『向かいの窓』『N-私とナポレオン』『見わたすかぎり人生』と観ていますが、音楽が効果的に使われていて痛快でスカッとする作品が多い気がします。この作品はイタリア版「嫌われ松子の一生」、という感じ。子供の視点から母アンナの過去と現在が交互に描かれていきます。過去のアンナと現在のアンナは違う女優さんが演じているのですが、どちらも自由奔放を絵に描いたようで、特に現在アンナを演じたステファニア・サンドレッリが最期まで人生を楽しみつくしている感じがすごく良かったです。髪をジャキジャキ切られてしまう妹ヴァレリアの子ども時代が可愛い。母親の血を確実に受け継いでいるかに見える成人ヴァレリア(クラヴディア・パンドルフィ)に対して天然情けない顔の父(イル・ネージ)と息子(ヴァレリオ・マスタンドレア)の面々もいい味出してる。

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『アルデンテな男たち』“Mine Vaganti(Loose Canntons)”(2010/伊) 
監督:フェルザン・オズペテク
物語:カントーネ家は、イタリアのパーリアで、パスタ工場を営んでいる。今日は、長男のアントニオが工場を引き継ぐのを記念して、家族みんなで集まって食事会をすることになっている。弟のトンマーゾは、この機会に、自分がゲイであることをみんなに告白して楽になろうと考えていたが…。

この映画の原題「Mine Vaganti」は直訳すると「漂流する機雷」。「何をしでかすかわからない人」、「危なっかしい人」の喩え。でも邦題が「危険分子」だとなんだかサスペンス映画みたいなので、老舗パスタ会社が舞台ということもあり、「アルデンテな男たち」(映画祭での仮題)やら「あしたのパスタはアルデンテ」(この邦題で日本公開)というタイトルになってしまっている。でもこの作品はまさに「危険分子」の映画で、主人公トンマーゾの他にも危なっかしい人たちがたくさんいるし、その誰もがいつでも暴発しそうな危険な性質を抱えている。キーパーソンは祖母である。危険分子たちの中に祖母の遺伝子が確実に引き継がれていることを発見するのも、ほかの危険分子と化学反応する様を見るのも面白い。祖母の「人の望む人生なんてつまらない。何が自分の幸せなのかを考えなさい」という言葉がずっしり響く。トンマーゾが何が自分の幸せなのか悩み、考えて、ひとつの結論に辿りつく姿は感動します。回想の中で花嫁が南イタリアの路地を歩く場面には、同じ監督の「聖なる心」のラストシーンを思い出しました。

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『ラ・パッショーネ』“La Passione”(2010/伊) 
監督:カルロ・マッツァクラーティ
物語:ジャンニは、かつては期待の俊英監督と言われたが、これといった実績も残せないまま、今はもう50歳になっている。今度の映画がラスト・チャンスだとわかっているから、精一杯張り切るが、バカげた要求を飲まされたり、理不尽な妥協をさせられたり、あるいは、トスカーナに建てている家に問題が起こったりで、心の休まる暇はなく、映画は思い通りの方向にはまるで進まない……。

出たな、名優ジジイ。ということで、シルヴィオ・オルランドとジュゼッペ・バティストンがコンビの映画で面白くないわけがない、と期待が高まります。今回の映画祭の中では一番コメディ色が強いかな。期待どおり笑えて、少しジーンとくる作品。
シルヴィオのもう居るだけで笑えてしまう存在感と、体格そのものに存在感のあるジュゼッペ・バティストン、個性の強すぎる町の人々、ジャンニの創作欲(妄想?)を刺激するポーランド女性と人気女優(クリスティリアーナ・カポドンティ、可愛い!)と、豪華な面々。面白かったです。キリストの復活劇がテーマになっているので、日本公開は難しいか。
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by kaioko | 2011-05-03 14:21 | 映画・演劇

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