ラ ドル知ヱ 美ータ。


イタリア旅行記/本/ライブ/映画/アート/まちあるきetc
by kaioko
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ゴッホ展

東京国立近代美術館、ゴッホ展に行ってきました。
待ち時間60分・・・こんなに並んでいるのを見たのはMOMA展以来でした。
改めて印象派の人気の高さ、わけてもゴッホの人気の高さを思い知りました。
クレラー=ミュラー美術館所蔵「夜空のカフェテラス」は日本では50年ぶりの公開とのこと。
劇的な人生と、強烈な色彩の作品、弟テオや友人ゴーギャンとの交流が生み出す物語にはやはり惹かれるものがあります。今回の展覧会は「孤高の画家の原風景」と題されていて、ゴッホが描いた農民の労働の絵やレンブラントやミレーの模写作品が見られたことが収穫でした。
あと、ゴッホ「補色の効果」を突き詰めた印象画家だと思いました。
赤×緑、青×黄という基本的な補色関係の色が生み出す効果。そしてそれぞれの色がちょっと独特の狂気を含んでいる気がするのです。
ただ、混雑が激しすぎて絵を見る環境じゃなかったです。常設展も観たのですが、私が思わず「本物?」といってしまったアンリ・ルソーの大好きな絵「第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神」の前なんて誰もいなくてゆっくり鑑賞できましたけど。
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# by kaioko | 2005-04-11 22:56 | アート・美術館

ラ・トゥールの夜



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芸術新潮・3月号
特集「神秘の画家~ラ・トゥールの夜へ」


Georges de La Tour(1593-1652)
ロレーヌ公国に生まれ、17世紀前半に活躍し、「国王付画家」の称号を得ながら、死後長らく忘れ去られていた神秘の画家。現在は「フランスのフェルメール」と称され、フランスでも人気の高い画家の1人である。

現存数が少ないこの画家の作品は圧倒的に夜の情景が多い。例えば「芸術新潮」では、この左の絵のほかに計4枚の「マグダラのマリア」を描いた作品が掲載されている。いずれも、暗い部屋の中、ロウソクの光の下で骸骨を手にし、1人考え深げなマグダラのマリアを描いたもので、描かれている小道具の違いなど、その対比ができて面白い。

夜の画家といえば、イタリアのカラヴァッジョ。もちろんこの画家との関わりにも言及している。ラ・トゥールがカラバッジョに触れたという史実ははっきりしないようだが、何らかの形で触れたであろうと画風を比べてみれば推定はできる。
カラヴァッジョも好んで描いたモチーフ「いかさまトランプ」、「女占い師」(賭け事をしているが、1人がカモで、あとは実はみんなグル)は、ラ・トゥールも描いている。
賭け事に興ずる人たちの豪華絢爛な衣装や装飾品の写実的な表現、そして何といってもいかさま師たち(ひきつけ役、財布をポケットから抜き出す役、それを受け取る役)の巧みな目づかい、手つかいの生み出す一瞬が見事に描かれている。視線や手の交差する音が聞こえるようだ。
また、ラ・トゥールは多少人体をデフォルメして描いているものが多い。
指の動きとか、長さとかちょっと不自然な気もするが、それが美しい。
聖人や十二使徒を描いたものも然りで、それがこの画家のもう一つの魅力だと思う。

「ジョルジュ・ド・ラ・トゥールー光と闇の世界」展は国立西洋美術館で、3/8~5/29まで。

「女占い師」「いかさまトランプ」
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# by kaioko | 2005-03-20 00:45 | アート・美術館

夜景の誘惑

日本経済新聞で連載されていた横尾忠則氏の「夜景の誘惑」が面白かった。

1.小林清親「隅田川夜」
2.---(見逃す)---
3.ムンク「生命のダンス」
4.マグリット「光の帝国」
5.デ・キリコ「秋の午後、あるいはイタリア広場」
6.ポール・デルヴォー「こだま(街路の神秘)」
7.ミレー「星月夜」
8.ホイッスラー「黒と金のノクターン:落下する花火」
9.シャガール「アルルカン」
10.木村立嶽「巌間望月図」


1.小林清親は明治期の浮世絵師。横尾氏は「永井荷風や谷崎潤一郎の小説と重なり、明治生まれの父の生きた時代への郷愁が蘇ってくる。」としている。新聞だとまるで切り絵のようになってしまうが、それでも清親の描いた夜の静けさ、清さが伝わってくる。

3.死の象徴である夜と、それと対を成す生の象徴である夜・・・二つの夜が死と約束を交わした時間の中で、束の間のダンスを踊っている。昼とも夜ともつかない空になんだかどろどろした生命力を感じる。

4.5.6.シュールレアリズムの画家達が夜を好んだのは納得がいく。彼らが描いたのはまさに夢の世界であるからだ。夜はもはや夜ではなく、人間の深層を描いたものといえるかも知れない。横尾氏はマグリットの作品を、発想も描写もそれほど独創的でないとしながらも、「見る者を変な気持ちにさせる何かがある」としている。私も、きっとこの「何か」の虜だ。

7.8.ミレーにこんな絵があるなんて知らなかった。同じ「星月夜」だったらゴッホのものがすぐに思い浮かぶが・・・。「まるで宝石をまいたような」満天の星空に、二筋の流れ星が見える。「ロマン派の作品のようだがロマン派のように病的なところはない。むしろ夜の熱を感じるような作品。」
ホイッスラーの作品もほぼ同時代の19世紀後半。この頃、夜に新しい意味を見出す画家が出てきたということか。

9.シャガールといえば紺色の背景に、鮮やかな赤や緑を配した絵が思い浮かぶ。シャガールも現実の夜景というよりは、夢の中の夜景を描き、幻想的な雰囲気を描き出した画家といえる。

10.今ちょうどNHK「夢の美術館~ルーブル美術館100選」でアングルの「トルコ風呂」を紹介していた。木村立嶽のこの絵も同じ円形図で、まるで覗いているような感覚を得ることができる。「水晶玉の仲に宇宙から投影された風景が閉じ込められて」いるようにも見える。宇宙感覚も「夜景」の持つ誘惑の一つだ。
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# by kaioko | 2005-02-11 12:27 | アート・美術館

フィレンツェ展

昨日は、東京都美術館にフィレンツェ-芸術都市の誕生展を見にいきました。公開は19日日曜日まで。どうしてもみたかったので、長野から新幹線に乗って日帰りで行ってきました。人がびっくりするくらい多い。この前の国立西洋のマティス展より多いのでは?改めてフィレンツェという都市の人気の高さが伺い知れました。

Ⅰ La città 都市
Ⅱ La pittura 絵画
Ⅲ La scultura 彫刻
Ⅳ La metallurgia 金工
Ⅴ L'architettura/La civilità dell'abitare 建築と居住文化
Ⅵ La tessitura 織物
Ⅶ Medicina e Scienza  医学・科学

以上、七つのテーマに分かれていました。フィレンツェは、美しい建築があり、絵画、彫刻があり、多くの芸術家を輩出した都市です。でも、それらを鑑賞するだけでは、片手落ちかもしれません。金細工、銀細工などの装飾品、織物などの技術も芸術の域であるし、それらが生み出した莫大な富があったからこそ、まさしくルネッサンスは花開いた。フィレンツェという都市自体をテーマとし、芸術都市の誕生と銘打ったこの展覧会はとても見ごたえのあるものでした。


13世紀から16世紀までの、共和制時代の貨幣6点と、メディチ君主制時代の貨幣3点が展示されていたのですが、これらはフィレンツェという都市をもっとも端的に語ってくれるものかも知れません。一つ一つがとても細かくて、美しい。加えて、「フィレンツェ市の貨幣の書」(通称『フィオリナイオ』)には、詳細に一つ一つの貨幣の記録が手書きで残されていて、見入ってしまいました。

アントニオ・デル・ポッライオーロ「若い女性の肖像」。女性の髪飾りとブローチ衣服の袖口の装飾が美しい。隣のボッティチェリ「婦人の肖像」は対照的にシンプルな衣服と髪型で、女性の美しさが引き立っていました。
ロッセイロ・ディ・ヤコポ・フランキ「出産の聖母」は、その名の通りおなかの大きいマリア様が描かれていて、珍しい。胸下の紐は純潔をあらわし、手にした本はキリストを暗示するそう。髪の二連の真珠が当時の女性のおしゃれを彷彿とさせます。

アンドレア・ヴェロッキオ「イルカを抱く童子」は、わたくし的本日のベストでした。愛らしい背中に羽の生えた童子がイルカを抱いています。小さい作品ですが、傑作だと思います。
ミケランジェロ「磔刑のキリスト」も小さいですが、その生々しいリアルさに目を奪われます。実際の死後の内臓の下がり方と同じだそうです。
ドナテッロの原作に基づく「聖ゲオルギウス」は動きのあるこの主題をレリーフで見事に表現。

セイレーンのペンダントは砂時計を手にしたセイレーンがモチーフになっていて、多くの寓意を含んでいるそう。その細工の細かさが凄い。

びっくりしたのは、パラッツォ・ストロッツィと、サンマルコ聖堂の木の模型。当時は建設前に木で模型を造ったんだそう。サンマルコの小さく区切られた僧房の清貧さを思い出しました。

さまざまな織物とともに展示されていた「絹織物技術の書」、「輸出入関税課税台帳」。本はこのほかにも「建築の書」とか、「算術教本」なども展示されていましたが、羊皮紙に細かい字で描かれていて、美しい挿絵とともにどれも芸術作品。

ジョルジョ・ヴァザーリが、コジモ・イル・ヴェッキオとコジモ・デ・メディチをそれぞれ聖コスマスと聖ダミアヌスとして描いた肖像。どちらも、メディチ家の守護聖人で、医学の聖人であることを初めて知りました。

以上、とてもボリュームがあったけれど、日本にいながらにしてこんなにルネサンスに触れられたのは感激でした。ともあれ、やっぱり芸術作品はそれの生まれた場所で。
フィレンツェ、今度いついけるかな?
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# by kaioko | 2004-12-19 16:37 | アート・美術館

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