ラ ドル知ヱ 美ータ。
アグリジェント:前編
アグリジェントは、紀元前582年ロードス島出身のジェーラの住人たちがここに移住したのが始まりといわれている。そうして、紀元前5世紀には強大な力を持つようになった。
現在残る神殿群も、このころ建設されたもの。紀元前5世紀といえば、ナポリで見た地下都市もこのころギリシア人が建設したもので、現在のイタリアにもギリシア人の「ネアポリス」、新しい都市がいくつも建設されていたのだと分かる。アグリジェントはその後カルタゴ人の略奪を受けるが、ローマ人の支配のもとで農業、商業を発達させ、続いてアラブ、ノルマンの支配を受けた。
“アグリジェント”の名前の由来は、都市の呼び名を遡っていくと、
I Normanni・・・Girgenti
I Romani・・・Agrigentum
I Greci・・・Akragas
となって、ギリシア人の言葉で“Terra alta ”という意味のAkragas が語源となっているらしい。
多くの神殿はカルタゴ人の略奪や、地震によって崩壊してしまっているが、中には、ほぼ当時のまま保存されているものもある。ヨーロッパ文化のご他聞に漏れず、その後の支配者がギリシア文化の神殿をキリスト教会に転用したかが、保存と破壊の分かれ道となったようだ。神殿は全てドーリス式(ordine dorico)で、大理石ではなく、黄色みがかった石材で建てられている。もっとも、当時は美しく彩色されていたようである。
Valle dei temple 神殿の谷
何故か「谷」と呼ばれているが、実際は丘の上にある。
入り口は二つあるが、チケットは1枚でOK。このチケット代(実はおごってもらってしまったのだけど)、8ユーロ。ところがあとでガイドフックを見直してみたら、実にまばらな料金で、2.05ユーロだとか、考古学博物館との共通券で6ユーロとの情報もあり、真相はわからないが、値上げしたのか、ぼったくられているのか。(多分両方。)
まずは、駐車場を出て右側にある遺跡から。
なお、こちら側の遺跡は、考古学を専攻し、以前ここで働いていたこともあるという方に解説つきで案内してもらうという、幸運に恵まれました。イタリア語での解説の理解度は半分以下だったのですが。
■Tempio di Giove Olimpico〈ジョーヴェ・オリンピコ(ジュピター)神殿〉
現在はカルタゴ人による略奪と地震で完全に廃墟になってしまっているが、ギリシア建築では最大級の規模を誇るもの。112m×56m、柱は17m~20mくらいはあったらしい(直径は4.42m)。地面にはtelamoneと呼ばれる巨大な人像柱が横たえられているが、これは実はほぼ二分の一のレプリカ。復元されたものは、考古学博物館に収蔵されている。博物館には行けなかったのだけど、横たえられたレプリカを見る限り、これがあたかも「風の谷のナウシカ」の巨神兵か、エヴァのアダム。神の谷のテラモネ?これがまさに柱として、何体も立っていたなんて・・・信じられない。
■Tempio dei Dioscuri(Castore e Polluce)〈ディオスクロイ(カストール・ポルックス)神殿〉
(↑画像)
神殿の谷でも最古の遺跡。かつては34本の柱があったらしいが、これも略奪と地震につぐ地震でほぼ崩壊してしまった。にもかかわらず、この遺跡は近世になって、周辺建造物のかけらを用いて再建され、Il simbolo di Agrigentoと呼ばれている。
カストルとポルックス神殿という名前からもわかるように、死んでしまった兄のために、弟が自分の命の半分を兄に分け与えたという伝説からその名前がついたらしい。いわゆる双子座伝説。
カストル・ポルックス神殿をさらに進むと、向こうに岸壁が見える大きな谷が。もう本当に想像もできないが、かつてここに海の水を引いて水をため、巨大なイケスをつくったことがあるらしい。コロッセオに水をためて模擬海戦にも驚くけど、自然の谷を海水で満たすなんて。
神殿といい、イケス伝説といい、古代の人間の成したとてつもない業にただただ驚くばかり。
さて道路(Via dei Templi)を渡って反対側へ。こちらのほうが保存状態の良い神殿が残っている。
現在残る神殿群も、このころ建設されたもの。紀元前5世紀といえば、ナポリで見た地下都市もこのころギリシア人が建設したもので、現在のイタリアにもギリシア人の「ネアポリス」、新しい都市がいくつも建設されていたのだと分かる。アグリジェントはその後カルタゴ人の略奪を受けるが、ローマ人の支配のもとで農業、商業を発達させ、続いてアラブ、ノルマンの支配を受けた。
“アグリジェント”の名前の由来は、都市の呼び名を遡っていくと、
I Normanni・・・Girgenti
I Romani・・・Agrigentum
I Greci・・・Akragas
となって、ギリシア人の言葉で“Terra alta ”という意味のAkragas が語源となっているらしい。
多くの神殿はカルタゴ人の略奪や、地震によって崩壊してしまっているが、中には、ほぼ当時のまま保存されているものもある。ヨーロッパ文化のご他聞に漏れず、その後の支配者がギリシア文化の神殿をキリスト教会に転用したかが、保存と破壊の分かれ道となったようだ。神殿は全てドーリス式(ordine dorico)で、大理石ではなく、黄色みがかった石材で建てられている。もっとも、当時は美しく彩色されていたようである。
Valle dei temple 神殿の谷
何故か「谷」と呼ばれているが、実際は丘の上にある。
入り口は二つあるが、チケットは1枚でOK。このチケット代(実はおごってもらってしまったのだけど)、8ユーロ。ところがあとでガイドフックを見直してみたら、実にまばらな料金で、2.05ユーロだとか、考古学博物館との共通券で6ユーロとの情報もあり、真相はわからないが、値上げしたのか、ぼったくられているのか。(多分両方。)
まずは、駐車場を出て右側にある遺跡から。
なお、こちら側の遺跡は、考古学を専攻し、以前ここで働いていたこともあるという方に解説つきで案内してもらうという、幸運に恵まれました。イタリア語での解説の理解度は半分以下だったのですが。
■Tempio di Giove Olimpico〈ジョーヴェ・オリンピコ(ジュピター)神殿〉
現在はカルタゴ人による略奪と地震で完全に廃墟になってしまっているが、ギリシア建築では最大級の規模を誇るもの。112m×56m、柱は17m~20mくらいはあったらしい(直径は4.42m)。地面にはtelamoneと呼ばれる巨大な人像柱が横たえられているが、これは実はほぼ二分の一のレプリカ。復元されたものは、考古学博物館に収蔵されている。博物館には行けなかったのだけど、横たえられたレプリカを見る限り、これがあたかも「風の谷のナウシカ」の巨神兵か、エヴァのアダム。神の谷のテラモネ?これがまさに柱として、何体も立っていたなんて・・・信じられない。
■Tempio dei Dioscuri(Castore e Polluce)〈ディオスクロイ(カストール・ポルックス)神殿〉
(↑画像)
神殿の谷でも最古の遺跡。かつては34本の柱があったらしいが、これも略奪と地震につぐ地震でほぼ崩壊してしまった。にもかかわらず、この遺跡は近世になって、周辺建造物のかけらを用いて再建され、Il simbolo di Agrigentoと呼ばれている。
カストルとポルックス神殿という名前からもわかるように、死んでしまった兄のために、弟が自分の命の半分を兄に分け与えたという伝説からその名前がついたらしい。いわゆる双子座伝説。
カストル・ポルックス神殿をさらに進むと、向こうに岸壁が見える大きな谷が。もう本当に想像もできないが、かつてここに海の水を引いて水をため、巨大なイケスをつくったことがあるらしい。コロッセオに水をためて模擬海戦にも驚くけど、自然の谷を海水で満たすなんて。
神殿といい、イケス伝説といい、古代の人間の成したとてつもない業にただただ驚くばかり。
さて道路(Via dei Templi)を渡って反対側へ。こちらのほうが保存状態の良い神殿が残っている。
by kaioko
| 2007-11-25 14:47
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