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ラ ドル知ヱ 美ータ。


イタリア旅行記/本/ライブ/映画/アート/まちあるきetc
by kaioko

Cillian×Ireland1920

麦の穂をゆらす風 プレミアム・エディション
/ ジェネオン エンタテインメント

1920年、英国からの独立のため、アイルランドの若者たちは義勇軍を結成する。医者を目指してロンドン行きを決意していたデミアンも冷酷な英国軍の仕打ちに怒りをつのらせ、兄とともに闘いに身を投じる。

「プルートで朝食を」で、キリアン演じたパトリックが生きたのは70年代のロンドン。アイルランドを出てロンドンに向かったパトリックが、すぐ隣に暴力があるにも関わらず自らの美しさと強さで、自分の人生を生きる姿が印象的だった。
IRA、北アイルランド独立戦争。その芽はもっとずっと昔に芽生えていた。

「麦の穂を揺らす風」は1920年のアイルランドから始まる。
冒頭、名前を「英語」読みしなかったために拷問を受けた末、鶏小屋の中で殺されてしまう17歳の少年。アイルランドの美しすぎる景色の中にひっそりとただずむこの小さな家は、繰り返し暴力に晒されていく。

アイルランド独立戦争から内戦へ。
独立戦争や内戦は、「誰と戦うかではなく、何と闘うか」を常に考えなければならない。だから、それに身を投じる者は常に議論し、そこから外れるものは躊躇せず排除していかなければならない。家族や仲間や愛さえも犠牲になる。

この映画には大規模な戦闘シーンがない。流血シーンが少ない。むしろ英国軍が日常で繰り返す暴力や拷問のシーンが克明に描かれる。それに対する義勇軍の戦闘訓練もゲリラ的で正面から衝突するものではない。ただそこに、敵を無差別に殺していく戦争の残酷さとは違う残酷さを見てしまう。
こんな残酷さが世界のあちこちに、歴史のあちこちに散らばっている。この映画で徹底的に悪に描かれている英国軍にだって、深い憎しみと悲しみの根があるはずなのだ。

キリアン・マーフィーの青く澄んだ瞳が相変わらず印象的。
ただ、拷問のシーンがなんとも・・・、ちょっと痛すぎた。
by kaioko | 2007-07-22 00:40 | 映画・演劇

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