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「血の婚礼」:東京グローブ座公演

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スペインは、唯一死が見世物になる国だとロルカは言った。

森山未來主演「血の婚礼」:東京グローブ座公演を観にいく。

物語は幻想的な雰囲気から始まる。
森山未來演じるレオナルドが、足で強く舞台を踏む。
世界が変わる。いや、世界が割れたとでも言ってしまおう。会場が息をのむ。
さらに細かいリズムを刻みながら激しく舞台を踏む。
フラメンコの踊り、つまりバイレ (Baile) は最初から血がほとばしるように感情を爆発させるわけではない、のだということを知る。
抑えて、抑えて、やがて鋭くなり、フラメンコ・ギター(Toque)や手拍子(Palma)がそれを盛り上げ、踊りも手の動きが加わってだんだんと激しくなっていく。
じわりじわりと、まるで土に血が滲んでいくように。
そして、レオナルドの眼はいつも冷えきっている。



■続きを読む(ネタバレあり)

「血の婚礼」は、愛の物語であり、それ以前に男と女の物語でもあり、家族の物語であり、ムラと<個>の物語でもあった。結婚式当日花嫁を連れ去る男。話の筋としては単純なのだけど、だからこそ人間の本能とか、本質とかが浮き彫りになる。

ちなみに、結婚式のシーンは「卒業」みたいなものを想像していたのだけど、全然違っていて、そのシーンそのものは描かれないまま、二人は追われる身になっている。対立を免れないものと、関係を断ち切れないものと、意図せずして繰り返されるもの。レオナルドと花嫁、二人はただ愛しあっているというだけで十分で、過去につきあっていたことは示唆されているけれど、それ以上にくわしく語られない。彼らは異分子にすぎないのだから。そして、生き残るのは・・・。

この舞台でひときわ異彩をはなっていたのが、尾上紫(ゆかり)さん。
名前からしてなにかタダモノではない印象の方だ。

彼女は「少女」の役で登場する。片方の足をひきずりながら、内なる欲望を隠すことなく、舞台を駆けずり回り、舞台を、登場人物の心を、乱す。その存在全体で物語に不穏な違和感を与える一方で、彼女はあくまで可憐で無垢であり、花嫁の花飾りをせがむのだ。実はロルカ自身も生まれつき左右の足の長さが違い、片足をひきずるように歩いていたらしい。「名前を与えられていない」この少女は、ロルカの分身の一人であり、同じく抽象的な存在である「黒い男」と対をなしながら、物語の重要な部分を担っている。
やがて、男は闇に少女は月へと変貌する。その変貌のエロチックなことといったら。

カーテンコール。満場の拍手はいつのまにかパルマへ。
森山未來が一歩前に出て、バイレ (Baile) を踊る。
オーレ!!

えーと、未來くんですが、パンフレットの時よりは髪がのびていて、未來くん長髪派(今つくった)にはうれしかったです^^
フラメンコも素敵でした。服の襟元を手繰り寄せてポーズをとるあれは、フラメンコの踊りの一種なんだろうか。あれが、すごく格好よくて、惚れ惚れしましたー。
しかし、未來くんは暗めの舞台が多いです。人のに参加するときは、明るめの舞台も観たいなと思います。
(だっていつもかわいそうなんだもん。)

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by kaioko | 2007-05-14 22:55 | 映画・演劇

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