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ラ ドル知ヱ 美ータ。


イタリア旅行記/本/ライブ/映画/アート/まちあるきetc
by kaioko
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スパゲティが饂飩(うどん)だったころ

みんなでカンツォーネを聴きながらスパゲッティを食べよう
伊丹十三 / ウルトラ・ヴァイヴ



1971年オリジナルリリースのレコードをCD化したもの。
伊丹十三が、優雅なジャズの調べに載せて語る、スパゲティの薀蓄をはじめとしたおいしくて、おかしなお話。下記の6章からなり、間にちょっとイタリア語とカンツォーネ(こちらは日本語ですが)が挟まれています。

第一章:スパゲティは「炒めうどん」ではない
第二章:スパゲティの正しい作り方 食べ方は
第三章:牛肉は「うま?」というおかしな話
第四章:目玉焼きの食べ方
第五章:スパゲティ・ソースの作り方
第六章:イタリア料理は家庭の味


まだ、「アル・デンテ」という概念もない時代の日本のスパゲティ。そんな時代のスパゲティ事情を心から嘆き、「スパゲティとはなんぞや」と必死に啓蒙しようという試みそのものが新しく、面白い。
その第一章からして

「スパゲティは断じて炒めうどんではない」

と、声を大にして言っているあたりが、今から考えるとちょっとずれている感じがして、それがまた滑稽で二重に面白かったりする。
でも、

「すなわち、スパゲティの技術は、茹で上がったスパゲティを、再び火を使わずに、どれだけ熱いままで食卓にのせることができるか、ここにかかっているのであります」

などと、スパゲッティの技術の真髄をしっかりと言い当てているあたり(しかも1960年代に!)、流石としかいいようがありません。
「Zuppa di verdura」なんて、私の自分史のなかでもかなり新しい時代の料理名もさらりと語られています。

ところで、語りの部分は伊丹十三が高梨木聖(こなみ)さんという女性と語り合う形で構成されているのですが、昔村上龍がやっていた「Ryu’s bar」みたいなこの形もちょっとオシャレで良いです。
高梨木聖さんの声がまたかわいらしくて、その割りに豪快な笑い方が語りをより盛り上げてくれています。

ちなみに「スパゲティのおいしい召し上がり方」、「目玉焼きの正しい食べ方」などのエッセイは、1968年に著されたエッセイ集「女たちよ!」に収められています。

そういえば、先日いったフラワーカンパニーズの松本ライブでもスパゲティの話題が。「俺らみたいな昭和の時代のスパゲティっていうのは、鉄板の上に薄く卵が敷かれていて、その上にトマトケチャップであえたスパゲティが・・・」、「今はパスタっていわなきゃいけない雰囲気があるけど、俺らの子供のときは「スパ」って呼んでた。それがオシャレやった。」なんて、伊丹十三が聞いたら嘆き悲しみそうなMC(笑)

ライブ会場だったALECXと同じビルの地下にある「キッチンヤマナミ」は、伊丹十三のいういわば「炒めうどん」的なスパゲティを出す店だったような。しかも量がやたら多くて、上にカツとかのっている感じで、多分フラカンの求めている味に近かった気がする。

私はといえば、もちろん「spaghetti al pamodoro」も大好きだけれど、伊丹十三に「あなたとは口をききたくない」といわれようと、炒めうどん的な日本のスパゲティも捨てがたいのであります。

女たちよ!
伊丹 十三 / 新潮社
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by kaioko | 2006-11-25 20:59 | 音楽・ライブ

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