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ラ ドル知ヱ 美ータ。


イタリア旅行記/本/ライブ/映画/アート/まちあるきetc
by kaioko

モデナ:水路の名残を求めてⅡ

モデナの街をしばらく歩くと、頬に水滴があたるのに気づく。
「雨?」と一瞬思うのだけれど、どうやら霧らしい。モデナは思ったより寒かったけれど、常に霧がかっていて、湿った寒さだった。

グランデ広場を抜けると、すぐにマルコーニ広場という広場に出る。
小さな噴水にベンチ、鐘楼の影を見ながらここでおしゃべりなんて楽しそうだ。
すぐ近くに様々な店が軒を連ねているが、今日は日曜日で全て閉まっている。
広場に接する市場(Mercato)も、ひっそりと静まり返って少し寂しい。
グランデ広場が社交の広場なら、ここはそれにプラス、より生活の匂いがした。


モデナ:水路の名残を求めてⅡ_b0068541_20295624.jpg
この広場と、不自然に歪曲しているCanalino通りが接している。


モデナ:水路の名残を求めてⅡ_b0068541_20301968.jpg

今回のエミリア・ロマーニャ州の旅。出来るだけ、いろいろな街を巡って、その街のドゥオモや美術館をまわるのが目的だったが、もう一つの目的はコレ。


柱廊(ポルティゴ)



いわゆる、歩道のアーケード。ポルティゴといえば、ボローニャが有名だけれど、モデナでもたくさんのポルティゴを見ることができる。
今回の旅行では、大雨にあうことはなかったけれど、これなら不意の雨でも凌げそうだ。


モデナ:水路の名残を求めてⅡ_b0068541_20303043.jpg
しかし、このポルティゴは歩道空間を覆うために作られたのではなくて、歩道の上に部屋を増築するために作られたものということである。
例えばボローニャだと、大学関係者が急速に増え始めたころに、ポルティゴが発達したのだとか。

歩道上の空間を有効活用しつつ、歩道の空間を快適にもし、またそれが連なって生み出される景観は街にリズムを与えて、歩いていてとても面白い。

ポルティゴに差し込む光は、時間や天気によっていつも違うものだし、そのポルティゴ自体も形態や材質に違いがあって個性的。

(←見事な境目)


モデナ:水路の名残を求めてⅡ_b0068541_20304618.jpg
そして、Canalino通りに続くポルティゴは、

クククっと・・・

絶妙なカーブを描いて、曲がっている。

街の発展による人口増への対策として生み出されたポルティゴ。
もともとあった水路に沿って、形作られたポルティゴ。
それが今でも多く残されているということ。

人間の生活と知恵と美意識が感じられるすばらしい空間です。


モデナ:水路の名残を求めてⅡ_b0068541_20305926.jpg
①Canalino通りの鋭角部分。
この道路、不自然に行き止まっている。行き止まりは、唐突で、廃墟と化しており、あまり面白い景観ではなかった。ここまで来ると、まるで担保物件写真を撮っている気になってきたので、引き返す。
by kaioko | 2005-11-26 21:20 | エミリア・ロマーニャ2005・11

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